国が違えば英語も違う!
学習させて最強のAI翻訳ツールに!

“England and America are two countries divided by a common language”(イギリスとアメリカは、同じ言語で分かれた2つの国である)
ジョージ・バーナード・ショー/ノーベル文学賞受賞 脚本家

こんな言葉が有名ですが、イギリスとアメリカは「同じ英語圏」でありながら、英語の微妙な違いによりコミュニケーションエラーが生じることがあります。 この“微妙な違い”は想像以上に複雑で、翻訳の際は十分に注意しなければなりません。

自動翻訳は、国によって異なる英語の違いを認識できるのでしょうか?

イギリス英語とアメリカ英語の違い。自動翻訳で対応するのは難しい?


イギリス人クライアントを担当するAさん。ある日、取引先のBさんから“We should organise a tea together one day”(今度、お茶でもどうですか?)とメールで誘われました。

Aさんは“Of course, how about the tea house at the corner of Smith Street? I've heard great reviews”(もちろんです。スミス通りの角のお店はいかがですか?良いレビューを聞きました)と提案。しかし、返ってきたのは“But they only serve tea?”(でもあそこはお茶しかないですよね?)という回答だったそうです。

「お茶でもどう?」と誘われたため、Aさんは評判の良いティーハウスを提案したのですが……


北京語とスペイン語に続き、世界で3番目の主要言語とされる英語は「イギリス英語(BrE) 」と「アメリカ英語(AmE)」に大別されます。 発音のみならず、単語や綴り、文法、さらには意味やニュアンスにいたるまで、多くの違いが存在します。 そのため、プロの翻訳者に翻訳を依頼する際は、いずれかの英語を指定するのが一般的です。

一方、過去の翻訳結果や莫大な対訳データをもとに訳文を作成する自動翻訳の場合、特定の国や一部の業界だけで通用する英語に関しては、残念ながら正しく翻訳できないことがあります。 上記のエピソードで登場した「Tea」は、実はBさんが暮らす一部のイギリス地区で「夕食」を指すのですが、自動翻訳が見抜くのはまだ難しいでしょう。

以下、例文翻訳を通して検証してみます。

【例文①】
普通株式に与えられる権利は原則平等である。

【T-4OO】
The rights granted to common stock are in principle equal.

【Google翻訳】
The rights granted to common stock are, in principle, equal.

どちらとも「普通株式」をアメリカ英語である“Common Stock”と訳しています。 イギリス英語では“Ordinary Share”ですが、このデータは含まれているのでしょうか?“Ordinary Share”を含む英日翻訳をして確認してみました。

【例文②】
Ordinary shares gives holders the right to vote at meetings as well as take dividends from the company's profits.

【T-4OO】
普通株式は、株主総会で議決権を与え、会社の利益から配当を受ける。

【Google翻訳】
普通株は、株主に会議で投票する権利と会社の利益から配当を受け取る権利を与えます。

T-4OOもGoogle翻訳も「普通株=Ordinary Share」というイギリス英語の翻訳データを持っているのがわかりました。 ただ、【例文①】の訳出でわかるように、デフォルトの翻訳はアメリカ英語でした。 もしも取引する相手がイギリス英語の国であった場合、訳文を修正する作業が発生します。

また、自動翻訳は綴りもアメリカ英語に寄っているようです。

【例文③】
今日はお会いできて光栄です。次回は研究センターでお会いしましょう。

【T-4OO】
It's an honor to meet you today. Let's meet at the research center next time.

【Google翻訳】
It is an honor to meet you today. See you next time at the Research Center.

“honor”と“Center”はともにアメリカ英語。 イギリス英語では“honour”および“Centre”となります。

ともに原型が残っていることから、大きな誤解を招くことはないかもしれません。 しかし、ビジネスシーンでは稚拙な印象を与えたりしてしまいます。

このように、自動翻訳を使えば短時間でおよその正確な訳文を作成できますが、国や地域、業界によって異なる英語の違いに対応するのは難しいのが実情です。

 

AI翻訳「T-4OO」の学習機能で、英語の違いを克服!

そんな中、T-4OOの“ある機能”を活用すれば、こうした課題を一挙に解決することができます。

学習機能を持つT-4OOでは、特定の国の英語や言い回しを「統一用語集·対訳」に登録することで、微妙な違いも正確に翻訳。 なお、「統一用語集・対訳」はシステムの画面上でテキスト入力できるほか、エクセルなどのファイルを丸ごとアップロードして、莫大な量の単語や綴りの違いを一度に登録することもできます。

こうした独自の翻訳資産をどんどん蓄積していくことで、T-4OOは世界でたったひとつの最強の翻訳ツールになるのです。

【例文①】
面接をしたいので、コレクトコールで下記の番号までお電話ください。身分証明のため、運転免許証をご用意ください。

【T-4OO(デフォルト設定)】
I would like to have an interview, so please call the following number via collect call. Please prepare a driver's license for identification.

“collect call”と”driver's license”はアメリカ英語です。統一用語集にイギリス英語を登録し、再度翻訳してみましょう。

【T-4OO+統一用語集·対訳】
I would like to interview you, so please call the number below via reverse charges. Please prepare a driving license for identification.

もうひとつ例を見てみましょう。

【例文②】
タクシーを呼んだので、1階の受付で待っていてください。

【T-4OO(デフォルト設定)】
I called a taxi, so please wait at the reception on the first floor.

【T-4OO+統一用語集·対訳】
I called a cab, so please wait at ground floor reception.

統一用語集·対訳を活用することで、よりネイティブのイギリス英語に近い文章を作成することができました。

学習することで翻訳精度がアップデート!

同じ英語圏のアメリカとイギリスでは、他言語同士のように全くコミュニケーションが成立しないということはありません。 しかし、ビジネスシーンにおいては、取引先や顧客を意識した適切な英語を使用することがマナーであり、ビジネスを円滑に進める基本です。 学習することで翻訳精度がアップデートし続けるT-4OOがあれば、コミュニケーションエラーに起因するロスを撲滅することができるでしょう。

筆者:大庭有美(オオバ ユミ)/バイリンガル·ライター
オーストラリア·シドニー在住30年。15年に渡りオーストラリアの日系媒体にて編集ライターおよび翻訳·通訳として活動。グルメ、芸能、インタビュー、育児、イベント、スポーツ関連の記事を主に担当している。