金融翻訳は自動翻訳じゃムリ?!
AI翻訳「T-4OO」の実力を検証!

金融翻訳は、ビジネス翻訳の中でも専門性が求められる分野。「自動翻訳には難しい」とされる金融翻訳ですが、AI翻訳「T-4OO」の登場により新しい時代に突入しています。

金融の専門用語や言い回しをクリアした「T-4OO」の実力を検証してみましょう。

金融翻訳が自動翻訳には難しい理由

一口に「金融翻訳」といっても、そう単純ではありません。銀行・証券・保険・IR・税務・財務などに分かれ、同じ分野の中でも債権・株式・投資信託のようにさらに細分化されています。

加えて、IRレポート・年次報告書・損益計算書など取り扱いの金融文書が多岐にわたり、それぞれに決まった言い回しや用語、形式が存在し、一般的な金融知識ではとても太刀打ちできません。 クオリティの高い金融翻訳には、対象分野の金融知識を身に付けた専門の翻訳者が必要なのです。

また、金融業界では、素早く正確な情報力がより重視されます。 例えば、国際情勢や海外マーケットの動きに株価や為替が大きく左右される証券業界では、各国政府が発表する金融政策や大手証券会社のアナリストレポート、各企業が発行するIRレポートなどをよりスピーディーに入手することが求められるでしょう。 自身が海外の顧客に専門情報を提供する立場であれば、なるべく早く的確に外国語での情報発信を行わなければなりません。

そんな中、スピード面を重視すれば自動翻訳を活用するのが最も便利ですが、無料の自動翻訳では金融業界のニーズに応えられる高度な翻訳ができないのが現状です。 スピードと精度の両方を満たすには、専門的な金融の語彙や知識がしっかりと埋め込まれた質の高いAI翻訳でなければなりません。

 

連結財務諸表やIR。金融翻訳におけるAI翻訳「T-4OO」の実力は?

株式会社ロゼッタのAI翻訳「T-4OO」の最大の特徴は、2,000もの専門分野データベースと企業ごとにカスタマイズが可能な企業別データベースを掛け合わせることで、専門の翻訳者のようなハイクオリティな自動翻訳を実現できること。

まずは「金融・財務・経理」を選択し、決算短信を翻訳した例を見てみましょう。

【原文】
Current assets increased by 133,803 thousand yen from the end of the previous fiscal year to 1,457,062 thousand yen at the end of the third quarter of the current fiscal year. This was mainly due to an increase of 17,779 thousand yen in cash and deposits and an increase of 22,466 thousand yen in notes and accounts receivable.

【T-4OO】
当第3四半期連結会計期間末における流動資産は1,457,062千円となり、前連結会計年度末に比べ133,803千円増加いたしました。これは主として、現金及び預金が17,779千円増加し、受取手形及び売掛金が22,466千円増加したことによるものであります。

【Weblio翻訳】
流動資産は、現在の会計年度の第3四半期の終わりに、133、1への前の会計年度の終わりからの80万3000円、457、6万2000円増加しました。これは、主に17、22の現金と保証金と増加の77万9000円、メモの46万6000円と売掛金の増加によりました。

T-4OOの翻訳では、まるで専門の翻訳家が仕上げたような自然な文脈で、正確さだけでなく読みやすさまで配慮した優れた翻訳になっています。

一方で、Weblio翻訳では機械翻訳であることが一目でわかる無機質な訳文で、重要な数字の情報が正しく伝えられておらず、内容も支離滅裂になってしまいました。

T-4OOでは、金融関連は、証券・投信、公的文書(金融)、銀行、保険、商品取引、経理・会計、IR、税務などから翻訳文書に合ったものを選択し、さらにその中から文書タイプを指定することができます。

例えば、IRを選んだ場合、有価証券報告書、事業報告書、アニュアルレポート、決算短信・業績予想、事実開示リリース、説明会資料・プレスリリース、社債発行プレスリリースなど翻訳したい文書に応じた細かい指定が可能です。

なお、ロゼッタは株式会社日本取引所グループと共同でAIによるIR 情報(適時開示資料等)の自動翻訳の精度を向上させるために実証実験を行なっています。T-4OOが日英のIR翻訳においてのスタンダードを示すことになるかもしれません。

優秀なAI翻訳は、金融翻訳をサポートする頼もしいパートナー!

コロナ禍が暗い影を落とす中、世界経済の行方にかつてなく大きな注目が集まっています。優秀なAI翻訳は、動きの速い金融業界を迅速かつ的確にサポートしてくれる頼もしいパートナーであることは間違いありません。

「金融翻訳は自動翻訳や機械翻訳ではダメ」といわれた時代はもう終わりました。専門家レベルの翻訳を可能にするAI翻訳「T-4OO」は、時間と費用のロスをなくし、金融世界の言葉の壁を取り払ってくれるでしょう。

筆者:林カオリ/ライター・編集者
大手広告制作会社、編集プロダクションにてコピーライター、編集者、記者として活動した後、オーストラリアに渡航。 15年間の海外生活中は、日豪両国の媒体にて多彩な執筆活動を行う。2012年に帰国。現在は国際性を生かした海外関連記事を中心に執筆活動を行うとともに、編集・出版の合同会社パブリスプラスの代表として活動する。知的財産管理技能士3級。